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東日本大震災で津波被害を受けた沿岸部の町を、内陸移転しつくり直している地域の中心部に建つ小学校と子育て拠点施設。

新しい市街地 に建設されるため、その中心に建つ小学校は新たな都市コミュニティの 中心としての役割やシンボル性が求められる。通常であればグラウンドを南に校舎を北に配置するが、それでは校舎と街路との距離が離れすぎると考えた。校舎とグラウンドを街路に対して東西に並べて計画することで、街と学校との距離が近づき、より積極的に地域交流拠点としての役割を果たすよう配慮した。駅前から公園まで 街路に沿って緑地帯を連続させて、隣接する子育て拠点施設と一体的な街並みを創りだした。街路に対して開かれた中ニワをもつロの字型の校舎とすることで、様々な活動を包みこむ地域の 拠点づくりに寄与することを意図した。


山下第二小学校は、小規模校としての特徴を活かした一体感のある学習空間が計画された木造2階建ての校舎である。

学校機能を確保しながら地域利用と両立できるよう、程よい規模の中ニワの周りに、1階を地域利用 が可能な諸室、2階を児童の生活の場として上下階で明快に区分した。 1階は地域の人が気軽に立ち寄れる中ニワがにぎわいを生みだすと同時に、外来者に対してのセキュリティーとしても働くよう配慮している。 2階には普通教室と一部特別教室を設けている。1学年1クラスの小規模校としての良さを活かし2階に特別支援教室も含めた全ての普通教室を集約して学校としての一体感を高めている。

普通教室は2学年ごとにオープンスペースと組み合わせた田の字型ユニットとすることで、様々な授業形態や児童の活動にフレキシブルに対応ができる空間となっている。教室は 7.2m×7.2mで構成し、収納はオープンスペースとホームベースにまとめた。

それぞれの普通教室ユニットの中心にはトップライトを設け、木造の放射状の梁で傘のように学習空間を覆う事で学年を超えた一体感を生み出している。

小さな断面の木造と鉄骨軸組でできた架構は、住宅のような身体的スケールと肌触りをもたらし、親しみやすい学校環境をつくり出している。

data

所在地:宮城県亘理郡山元町

敷地面積:16,466.02㎡

建築面積:3,943.17㎡

延床面積:4,731.95㎡

構造規模:木造一部鉄骨造 2階

School

山元町立山下第二小学校/ 2016

末光弘和+末光陽子 / 株式会社SUEP.

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