文化ホールは、内部化された「高床」によって、上のレベルで回遊性の高い公共空間をつくっている。この高床のレベルは、+2.4mまでガラスと列柱で抜けを確保されており、そこに掘り込まれた大小様々なホールが、通りすがる人から見通せるようにデザインされている。半地下状になることで、地中の熱エネルギーをうまく活用する事ができる。それぞれのサンクンコート状のホールは、壁や床の素材や色を変えた空間とすることで多様性を持たせながら、その上には、家型の白い天井が大きな気積を持って展開する。
この天井が最も特徴的なのは、500人席の文化ホールであり、ここでは、ミウラ折という折り紙形状をした折れ天井によって、音環境を最適化しながら空間を決定している。音源から発されて天井で反射した初期の反射音をいかに均質に客席に届けるのかを良い音のホールの指標としてプログラムを組み、100を超える様々な折り形状、折り深さ、折数などをパラメーターに最適解を導きだしている。最終的に決まった形状はミウラ折と呼ばれる折り紙形状のホールとなった。
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所在地:佐賀県嬉野市
敷地面積:6326㎡
建築面積:3745㎡
延床面積:4770㎡
構造規模:S造+一部RC造 3階
末光弘和+末光陽子 / 株式会社SUEP.
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Concert hall , Arena
嬉野市社会文化会館 / 2014
(C)中村絵