林の中の木陰のように、ヒンヤリとした涼しい場/多様な重なりをデザインする。

利根川水系と手賀沼に挟まれた台地状の敷地に建つ住宅。古くから、水が豊かで、水系の恵みとともに暮らしてきたこの土地らしい住まいのあり方を考えた。暑がりという施主の〈夏を旨とした住まい〉と要望に対し、陰をデザインする事を考え、庭木が拡張した木陰のような涼しい住環境をつくった。ここでは、大きな屋根をかける事を避け、小さな正方形の10個の屋根をズラしながら配置し、陰の重なりをつくり出している。これら全て形の異なる環境ユニットは、地下水脈を流れる井戸水の冷たいエネルギーを吸い上げ、躯体に循環させることで輻射冷房の仕組みと一体化されており、それらがズレながら連結されることで、多様な「木陰」空間をつくり出し、くつろぎ、食事し、本を読む、快適な環境となっている。地域に流れる地下水の循環系に接続し、建物をその一部とすることで、自然エネルギーの豊かさを享受する住宅。

末光弘和+末光陽子 / 株式会社SUEP.

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House

Kokage / 2008

data

所在地:千葉県我孫子市

敷地面積:271.09㎡

建築面積:  99.52㎡

延床面積:127.50㎡

構造規模:木造2階

設計期間:2006.06 - 2007.12

工事期間:2007.12 - 2008.07